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うつ病の症状

治療のベースは「休養」

うつ病の治療は、とにかく初めは休養をとることです。仕事は休み、家事も避けるに越したことはありません。心と体を休めることが第一の治療です。早くよくなってもとの生活を取り戻すためにも、ゆっくり休養するようにしましょう。

心と体を休ませること重要な治療法

治療の基本は休養です
うつ病を治すには、ストレスになっていることから離れて、心と体をゆっくり休ませることが重要です。患者さんは責任感が強いタイプだけに、自分が休んで周囲の人の負担を増やすことに罪悪感を抱きがちです。しかし、無理に仕事や家事を続ければ、回復は遅れることになり、かえって周囲の人に負担をかけることになります。
まだ働けると思っても、仕事の能率は上がりません。主治医が休暇が必要と診断し、指示するのですから、思い切って休暇をとりましょう。休暇中は、原則として1~2週間に一度の割合で通院し、できるだけ安静にして心身を休ませます。

休養・薬物療法・精神療法が基本

休養

ストレスになっていることから離れてゆっくり休み、心身のエネルギーを回復させる

薬物療法

抗うつ薬を中心とした薬を服用して、抑うつ症状、不安、焦燥、身体症状などを取り除く

精神療法

状況を正しく認識し、自分の性格傾向やストレスへの対処法などを理解する

休養の期間について

休養の期間
一般的には、休養の期間は3か月です。回復のペースにもよりますが、半年以上必要になることもあります。しかし、会社勤めをしている人にとっては、3か月でも気軽に「休暇願」を出せるような状況ではないかもしれません。「復職するころには、自分のデスクはなくなっているのでは」と心配になります。
そこで、休めないという患者さんには、「ひとまず、体調不良を理由に休みをとってみましょう。何日くらいなら休めそうですか」と尋ねます。たいていの患者さんは、「数日か1週間」と答えますから、「では、1週間から始めましょう」と提案します。最初にとる休養は長い期間である必要はありません。患者さんが「病気の治療のためには、仕事を休まなければならない」ということを認識できれば大きな進歩です。

休養をとるときの心がまえ

●「いま休まず、先延ばしにすれば、周囲の人にもっと負担がかかる」ということを認識する。
●主治医の診断のもと、「休養が必要」と指示されているのだから、ためらわずに休む。
●最初から長期休暇をとる必要はない。「体調不良」を理由に、数日あるいは1週間の休暇願を出す。
●休養中は、仕事や会社のことは忘れる。
●家事はほかの家族に手伝ってもらう。
●食事やトイレ以外は寝たいだけ寝ているくらいの気持ちで過ごす。
●苦痛に感じる人つきあいは、できるだけ避ける。
●早く治そうと焦らない。

回復してきたと思ってもすぐにもとの生活に戻らない

生活パターンや考え方を改める
体調が少しよくなってきたと思っても、もうしばらく休んで様子をみましょう。うつ病の治療は、症状を取り除くことだけでなく、これまでの生活パターンや考え方を改めて、うつ病にかからない自分になることです。
たとえば、過労が原因でうつ病になった人が、以前と同じ多忙な職場に戻ったのでは、再発は時間の問題です。また、「うつ病の再発は避けたいけれど、生活習慣や考え方は変えようがない」などと思っている人は、ストレスを受けるたびに再発を繰り返すことになりかねません。うつ病になった自分を責めてはいけませんが、なぜ、この病気になったのかを見つめ直し、改めるべきところは改めていくことが必要です。その努力が、治療効果を高め、同時に再発予防に役立ちます。

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