思春期から青年期のうつ病
疲れやすく、ひきこもったり、暴力的になったりする
思春期から青年期にかけては、人間形成のうえで重要な時期で、体の面でも心の面でも変わり目にあたります。このため、心の病気になりがちです。
思春期・青年期のうつ病の症状や特徴
思春期のうつ病の症状としては、基本的にはおとなの症状と同様で、頭痛や腹痛、食欲不振、睡眠障害などの身体的症状もみられます。ただし、憂うつな気分や自責的な傾向はあまり目立ちません。むしろ疲れやすい、何をするのもおっくう、集中力がなくなるといった症状が多くみられます。まれに幻覚や妄想があらわれることもあります。
このために、不登校や、いわゆる「ひきこもり」の状態になることもあります。また、ちょっとしたことから怒り出し、攻撃的になり、暴力をふるうような問題行動を起こすことがあるのも、このころの症状の特徴です。ただし、こうした暴力やひきこもりのような問題行動については、その背景にうつ病があるのか、ほかの心の病気でそのようになるのかの判断は非常にむずかしく、注意が必要です。しかも、思春期の子どものうつ病では、長い時間の経過とともに、ほかの心の病気に変わっていくこともあり、慎重な判断が求められています。
うつ病になる原因について
自分がいだいていた仕事や会社のイメージと違ったりして、意気消沈してしまう若者の例も見かけられます。いずれにしても、就職して社会に出るということは、人生の一大転機であることはまちがいなく、それだけに身の回りに大きな変化が起こり、それが心に影響することになります。こうした悩みが原因でうつ状態やうつ病になることも珍しくありません。ときには、思春期にみられた「ひきこもり」のような状態になる人もいます。