非定型うつ病の症状(拒絶過敏症)
他人のなんでもない言動に、過敏に激しく落ち込んだり、攻撃をしたりします。社会生活にまで影響してしまうので、人の理解が必要な症状です。
「拒絶過敏性」の特徴
拒絶過敏性とは、他人の侮蔑的な言動や、軽視、批判に対して極度に敏感になり、ふつうでは考えられないほど激しく反応する症状です。そのもとには、①対人恐怖(自分の外見や能力を低く見積もられることへの恐怖)や、②プライドの高い性格(他人の目を気にする自己愛性)が存在すると考えられています。
社会生活にも支障が出る重大症状
対象になるのは、主に患者さんの周囲にいる、職場の同僚や上司、家族、恋人、友人たち。本来なら、味方である人たちとギクシャクとするわけですから、人間関係をそこねることにもなります。場合によっては、社会生活にも支障が出てきます。拒絶過敏性の症状が強い患者さんは、社会復帰までに何年もかかることが、まれではありません。
拒絶過敏性のケース例
①「ごほんがかためだったね」という夫のひと言で、バカにされたと怒った妻は、二度とごはんを炊かなくなり、パンンやめん類の食事しか出さなくなる。
②自分が提案したプランに、上司から修正が出され、能力を全否定されたと腹を立てた彼は、翌日から会社を休んでしまう。
③父親が娘に、「がんばってるね」と声をかけられた娘は、「いままではダメだったんだ」と思い、「お父さんなんて嫌い」と、すっかりふさぎ込んでしまう。