うつ病の症状(集中力・記憶力の低下)
物事に集中できず、小さな決断にも迷うようになります。記憶力も低下するため、高齢者の場合は、認知症と間違われることもあります。
集中力や記憶力、決断力が低下する
思考力も低下するため、会議の席などで考えをまとめて発言するのが困難になります。記憶力も衰え、見開きしたことや、人から頼まれたことをすぐ忘れてしまうこともあります。
さらに決断力も鈍り、とるに足らないようなことでもあれこれ迷い、結局、決められないということになってしまいます。こうした症状は、患者さんも自覚しており、頭がぼーっとしている状態を、「ぼけてしまったのではないか」と心配する人もいます。
高齢者の場合は、認知症と間違われやすい
うつ病の患者さんを対象に、記憶力のテストを行うと、病前または病後と比べて、記憶力が明らかに劣っていることがわかります。人から聞いた話や頼まれたことを忘れることが多くなるため、高齢者の場合は認知症と間違われることがあります。
しかし、うつ病による記憶力の低下は、脳の機能低下によるもので、適切な治療を受ければ回復します。一方の認矢口症は、脳の器質的な異常で、現在のところ効果的な治療法が確立されていません。このような違いがありますから、診察を受けて、うつ病か認知症かを見極める必要があります。病院では、記憶力を試す検査や脳の画像検査などを行って両者を鑑別します。
重大な決断をして後悔することも…
こうした軽率な決断は、うつ病特有の自責感にもとづいています。「自分のせいで妻や子どもが不幸になる」「自分は会社の荷物になっている」という気持ちから、極端な行動に出てしまうのです。また、視野が狭くなって、客観的な判断ができない状態になっています。そのため、家のローンを抱えている人なら、「完済できなかったら大変なことになる」と焦り、家族には無断で家を処分してしまうようなことも起こります。