サイト・ナビゲーション
うつ病の症状

うつ病後の人生(再発予防)

再発を防ぐためには、しばらくの間、薬を続けることが必要となりますが、このほかに、どのようなことに注意したらよいのでしょうか?

うつ病後の人生

うつ病後の人生
再発を予防するといっても、複雑に考える必要はありません。再発を恐れてあまり神経質になりすぎると、かえってそれがストレスになり、逆効果になることがあります。再発を防ぐには、性格面で自分の弱いところや問題点を知ると同時に、どんなときに調子が悪くなったかなどを思い出すことも必要です。いずれにしても、まず本人が「うつ病は再発する可能性が高い」ということをしっかり認識して、そうならないようにその後の人生で心がけることが大切になります。

●正しい知識

再発を予防する第一歩は、うつ病についての正しい知識を持つことです。知人や友人の口コミなどから得る断片的な情報ではなく、うつ病についてきちんと書かれた本を読むなどして、正確な知識を得ることが重要になります。何か疑問点や不安なこと、わからないことなどがあれば、主治医に相談して、すみやかに解決しておきましょう。

●発症のきっかけを知る

自分がどんな状況でうつ病を発症したのか、またはじめのころの症状はどんなだったかをよく思い出してみましょう。うつ病になったことのある人は、過去に発症したときと同様の状況に陥ったときに再発しやすく、また初期症状も同じような形であらわれることが多いからです。発症した当時と同じような状況に再び陥りそうになったときには、極力それを回避するようにつとめましょう。どうしても避けられない場合には、事前に家族や医師の協力を得て準備をすることによって、かなり再発が予防できます。

●自分の性格を知る

うつ病になりやすい人には、まじめ、仕事熱心、こり性、責任感が強いなどの性格的特徴がみられます。いずれも長所といってよい資質ですが、あまりにがんばって無理をしすぎると、心身ともに限界を越えてしまいます。もちろん、そうした性格は、あくまでも発症のひとつの要素であって、性格だけでうつ病になるわけではありません。
元々、こういった性格を持っているところに、なんらかの強いストレスが加わって、うつ病を発症します。なので、うつ病の再発を防ぐには、「自分は性格的にこうした場面で弱い」とか「こういう場合にこんな行動をするから、あるいはこんな考え方をするから問題が起こる」というようなことをしっかりと理解していることが大切になります。けっして自分の性格を変える必要などありませんし、簡単に性格など変えられるはずもありません。たとえば、「まじめ」な人は、職場に復帰すると、遅れた分をとり返そうと、これまで以上にがんばろうとします。こうした自分の性格が問題なのだということをよく理解していれば、職場復帰しても、さほどあせらなくなるでしょう。

●柔軟で余裕のある生活を心がける

性格の面で自分の弱いところや問題点を知ると同時に、これまでの自分の考え方を少し変えてみることも、再発防止のうえで大切です。
たとえば、以下のようなことです。


●以前は、断りきれずに、なんでも自分でかかえ込んでしまう傾向があったが、今後は部下や家族などほかの人にも協力してもらい、自分にかかる負担をなるべく少なくする。何かを頼まれても、無理だと思ったら「NO」と言える勇気も必要。
●やりすぎと感じたら、ちょっと肩の力を抜いてみる。
●ひとつのことにとらわれていると思ったら、もっと遣う観点で見直してみる。また、親しい人との死別、失恋や結婚、就職、引っ越しといった、自分をとり巻く環境の変化はうつ病になる要因のひとつであると同時に、また再発の引きがねともなります。しかし、こうした出来事は、一生の間にはいくらでもあるので、そのような場面に遭遇したときには、あまりこまかいことを気にせず、場合によっては休養をとったり、気分転換をはかったりして、のんびりと構えてみることも大切です。


また、ものごとに優先順位をつけて、大切なことから片づけていくようにします。あれもこれもとがんばるのではなく、あれかこれかを選んで処理していくようにしましょう。「明日できることは、今日しない」というくらい気楽に考えて、ものごとにあたることが大切です。
要は、何事に対してもあまりがんばりすぎず、すべて「ほどほど」で十分だと、柔軟で余裕のある生活を心がけることが、再発の予防につながります。

ストレス対策

ストレス対策
適度なストレスは人間が生きていくためのエネルギー源となりますが、過度のストレス (悪玉ストレス)は心身に悪影響を与え、うつ病をはじめ、さまざまなストレス病の原因となります。再発を予防するためには、日常生活でいかにストレスをため込まずに心の安定を保っていくかがポイントとなります。ストレスに対しては、以下のように対処しましょう。

●ストレスのすべてが悪いものと決めつけない

人間はストレスを避けては生きていけません。よほど強い、あるいはよほど心に悪影響のあるストレスは別として、むしろほどよいストレスは人間の能力を発揮させるといわれます。ですから、ストレスのすべてが悪いものと決めつけないで、「心を満足させる充実感や達成感はストレスがあってこそ」というように考えてみます。

●ストレスを整理する

いくつものストレスが重なってしまうことはよくあることです。仕事や生活の面などで、ストレスになりそうなことがいくつもあるときは、頭の中で整理をしてみます。こうした習慣を身につけることで、できるだけ心の余裕が持てるようにしておきます。

●一人でストレスをかかえ込まない

ストレスをかかえて苦しいというときに、相談できる人がいると、心が落ち着くものです。苦しいときには、そうした人とじっくり話し合い、一人でストレスをかかえ込まないようにします。

●夜に考え過ぎない

夜に考え事をするのはあまりよくありません。考えがどんどん煮つまっていき、自分を追い込んでしまいがちです。袋小路に入り込んで、出られなくなるようなこともあります。ものごとを考えるのは、朝や昼にしましょう。そのほうが現実的、客観的に考えることができます。

趣味やスポーツを楽しむ

うつ病後の人生では、日常生活での心の安定をはかることが大切です。そのためには、「心の緊張を解く」「ゆったりとした気分になる」「ストレスを解消する」「気晴らしをする」 ことなどが、再発予防に有効です。そのひとつの方法が、趣味やスポーツなどを楽しむことをおすすめします。

サイト・ナビゲーション