うつ病の身体症状
うつ病になると、頭痛や胃腸の不快感、肩こりといった身体症状が現れることがよくあります。内科などにかかっても原因がわからないときは、うつ病を疑って心療内科か精神科を受診しましょう。
最も多い症状が「頭痛」
ふつう、頭痛といえば、偏頭痛や睡眠不足、疲労や風邪をひいたときなどの頭痛で、一時的なものであることがほとんどです。しかし、うつ病による頭痛は一過性ではなく、朝、目覚めたときから一日中続くため、気分も相当悪くなります。
肩こり、めまいなどの不定愁訴が現れることも
多くは胃酸分泌を抑える薬(H2ブロッカー)や、胃の粘膜を修復する胃薬を処方されますが、際立った効果はありません。うつ病が隠れている場合は内科だけでは症状を改善することはできません。きちんと検査をして、症状がうつ病によるものか、からだの機能や臓器の異常によるものなのか、確認することが大切です。
不定愁訴を訴えることも
うつ状態のときには、からだに痛みを感じやすくなるといわれています。普通の状態では感じないようなちょっとした痛みでも、生命力が低下しているために、感じやすくなっているのでしょう。うつ病が不定愁訴の背景にある場合には、 自律神経のバランスを保っているホルモン(甲状腺ホルモン、男性ホルモン、女性ホルモンなど)に異常が生じていることも多いようです。これらのホルモンは、脳の下垂体がコントロールしています。
脳がストレスを受けると、下垂体を通じてさまざまなホルモン分泌にも影響が及び、手足の末端にまで症状があらわれます。また性ホルモンがバランスを失うことによって月経不順や無月経などの症状があらわれることもあります。このように、手足の末端のしびれや痛みは、症状としては軽くみられがちですが、やはりその裏にうつ病が隠れていることがあり、決してあなどることはできないのです。
性障害があらわれることも…
男性の場合はインポテンツに、女性では生理不順や無月経に陥りやすいようです。特に軽いうつ病の場合、感情の乱れや意欲の減退などの精神症状がおもてに出る前に、こうした症状があらわれることがあります。
女性は産婦人科を受診するケースが少なくありませんが、男性は「仕事で疲れているんだろう」と思い込み、気にもせずに放っておくことが多いようです。
しかし、そのうちにからだのほかの部分にも異常があらわれて、うつ病がかなり進んでから 「そういえば」と気がつくことになるのです。