軽症うつ病
「軽症うつ病」は、重いうつ病ほど日常生活に支障はありませんが、放っておけば重いうつ病に進行することもあります。原因不明の不定愁訴や憂うつ感が続くようなら、早めに受診することです。
うつ病の症状が目立たない「軽症うつ病」
しかし、軽いから放っておいていいというものではなく、軽くても治療の対象となる病気であり、「症状が目立たないうつ病」ということです。以下に、軽症うつ病の一般的な診断基準を紹介しました。専門家の意見を総合すると、このような項目によって特徴づけされます。
軽症うつ病の診断基準
①うつ病の症状がすべて出ないことが多い
②会話や表情、態度での憂うつ症状は目立たない
③食欲は極端に落ちることもなく、体重減少も少ない
④自殺念慮は少ないので、基本的に外来通院で治療できる
⑤身体症状(頭痛や肩こりなどの不定愁訴)や神経症(重い病気なのではないか、といった漠然とした不安)傾向が目立つことが多い
⑥興味や喜びなどのエネルギーは低下しているものの、趣味や人との付き合いなどは、無理すればできる
⑦気力や根気は落ちているが、日常の仕事や社会生活活動はなんとかできる
受診につながりにくく診断がつけにくい
そのうえ、症状が典型的なうつ病ではないため、どこを受診してよいのかわからなくて治療につながりにくかったり、受診しても診断がつかず、適切な治療がなされないことも少なくありません。
典型的な症状を持つ中等圧以上のうつ病患者でさえ、治療に結びつくケースは10%前後と推測されていますが、軽症うつ病は、さらにその水面下に多く存在するといわれています。最も多いタイプのうつ病といえるでしょう。