子供のうつ病
いらいらしたり、反抗したりする
子どもでも、うつ病ではないかと疑われるケースがみられます。ただ、自分の気持ちをうまく伝えられないために、いらだって、うつ病にはみえないことがあります。
子供の行動や身体症状に注意する
ただし、小さい子どもの場合は、言葉をはじめ表現力が未熟なので、診断が非常にむずかしくなります。一般に、子どもの心の病気は、家庭環境や親子の関係が深く影響しているといわれています。特に母親との間で、十分な愛情が注がれていないと、子どもは不安になり、心の不調があらわれてくるということがよく指摘されます。
また、小学校に通うようになると、親子関係ばかりでなく、学校生活の中で友達とのトラブルやいじめなどがあったり、先生とうまくいかなかったり、加えて成績の問題などが起こるようになると、それらが憂うつな気分を招くようになります。
子どものうつ病の症状は、おとなの典型的な症状のような形では出ないといわれます。いらいらしたり、問題行動を起こしたりするケースが多いです。
表現力がないため単純な訴え方に
そのため、ちょっとしたことで感情的になったり、態度が反抗的になったりします。それが体の不調としてあらわれることもあります。
注意しなければならないのは、正確に表現するだけの言葉が少ないので、「おなかが痛い」とか「頭が痛い」という、きわめて単純な訴え方をしてしまうことです。おとなは、それを言葉どおりに受けとってしまい、子どもの本当の気分を見すごしかねません。
学校に行きたがらなくなり、長く休む、いわゆる不登校なども、うつの気分のひとつのあらわれと考えられますので、注意する必要があります。もちろん、これらの症状は、その背景にあるのはうつ病ばかりとはいえず、ほかの心の病気についても考える必要があります。