非定型うつ病の症状(過眠・過食)
過眠や過食の症状は、抑うつ気分とともにやってきます。落ち込みが激しくなるほど、いくら寝ても寝足りない、いくら食べても食べ足りない、という状態になります。
「過眠」
非定型うつ病では、侮辱されたり非難されたりすると(事実はそうではなくても、本人が「思い込む」場会も多い)、激しく気分が落ち込み、それに合わせて眠けが強くなります。
また、 鉛様麻痺(鉛がつまったように体が重く感じる)が同時にあらわれることが多いので、起きてはいられなくなります。しかし床についても、ぐっすり眠れず、真夜中に目が覚めたりします。熟睡していないため、眠けはだらだらと続き、いくら寝ても寝足りないという状態になっていきます。そうして、昼間もうつらうつら寝て過ごすことが増えるにつれ、睡眠と覚醒のリズムがくずれ、夜と昼が逆転した生活になっていきます。また、過眠は脳の働きを鈍らせるので、憂うつな気分はいっそう強まっていきます。
「過食」
糖分には、抑うつ感をやわらげる作用があるという学説があります。甘いものを食べるとインスリンが分泌され、それによって脳内のセロトニンが増加して、抗うつ薬を飲んだのと同じ効果がみられるとする説です。そのためもあってか、非定型うつ病の人は、まんじゅうやケーキ、ドーナッ、クッキーなど、甘いものを次から次へとむちゃ食いします。なかでも、チョコレートを食べたがる人が多く、これには、チョコレートの働き(脳内の神経伝達物質に作用し気分をよくする)が関係するとも考えられています。しかし、甘いものを食べて気分がよくなるのは、一時的なものです。眠りすぎや食べすぎの生活は、当然のことながら肥満をまねきます。そうして、太ってしまった自分への自己嫌悪で、気分はますます落ち込んでしまいます。「過食」の目安は以下のようなものです。
●週に3日以上、度を越して食べる
●特に甘いお菓子などを、絶えず食べ続ける
●1カ月の問に、健康時の体重の5%以上増えている