パニック障害の発作後の経過

うつ病の症状

パニック障害の経過

パニック障害は、一度パニック発作を起こし発症すると、多くの場合、ほぼ決まったコースをたどります。発作のあと、病気がどのよう経過するかを紹介していきます。

「予期不安」

予期不安予期不安パニック発作は、最初は、突然場所も状況も選ばずに起こります。発作そのものは、ほとんどが30分前後でおさまりますが、しかし発作はそれで終わるわけではありません。パニック発作は、くり返し起こるという特徴があるからです。最初の発作から次の発作まで、ふつうは数日から数週間ありますが、人によっては連日起こることもあります。2回目の発作のあとは、比較的短期間のうちに連続して発作が起こります。こうして何度もくり返すうち、本来は「不意に起こるはずのパニック発作は、しだいに「特定の状況と結びついた」ものになっていきます。
患者さんは、パニック発作の恐ろしい経験とそれが起こった状況や場所を結びつけ、緊張感を高めて、みずから「発作が起こりやすい状況」をつくってしまいます。一度、発作の恐怖を体験すると、そのときの感覚を覚えてしまって、また発作が起こるのではないかと、不安が不安を呼ぶような悪循環におちいってしまう。これを「予期不安」といいます。
予期不安は、パニック障害の根本的な症状で、パニック発作があっても、予期不安がなければ、パニック障害という診断はされません。予期不安が高じると、発作が起こりそうな場所や状況を避けようとする行動につながっていきます。

「広場恐怖」

広場恐怖広場恐怖パニック障害を発症すると、80%以上の人が多かれ少なかれ「広場恐怖」をいだくようになります。広場恐怖の「広場」とは、広い場所という意味ではありません。もしパニック発作が起こったら、人前で恥ずかしい思いをするのではないかと不安になる場所、すぐに逃げられない場所、あるいは助けを求められない場所のことで、そういった場所や状況に身をおくことに恐怖を感じ、避けようと行動(忌避・逃避行動)してしまうのが広場恐怖です。
患者さんが恐れているのは、発作が起きそうな場所や状況というより、実はパニック発作そのものなのです。「逃げ場がない、助けてくれる人もいない、こんなところで発作が起きたらどうしよう」と想像してしまうところから、広場恐怖は生まれます。人によっては、恐怖する対象がどんどん拡大し、ついには家から一歩も外へ出られなくなることもあります。また、広場恐怖は患者さんを依存的にしますので、ひとりでは家にいられない、外出には家族など親しい人の同伴が必要になる、というように、本人も周囲の人にとっても、日常生活でさまざまな支障が出てきます。広場恐怖のために電車に乗れず、通勤が困難になって失職する、といったことも起こります。
ただし、こういった極端な広場恐怖は、ふつうはそれほど長くは続きません。大半の人は、数カ月もすると不安や恐怖に慣れ、自分で行動範囲を広げるようになります。半面、一度広場恐怖になると、パニック発作が消えたあとも、無意識のうちに自分の行動を制限してしまう人も、多くみられます。

「うつ病」「他の不安障害」を併発

広場恐怖を伴うパニック障害は、他の不安障害や気分障害(うつ病)も、非常に高い率で併発します。

●対人恐怖

パニック障害の患者さんは、パニック発作によって人前でとり乱し、恥ずかしい思いをすることを恐れます。発作を起こしたら、見ず知らずの他人に迷惑をかけるのではないか、という心これを「二次的対人恐怖(社交不安障害)」といいます。
パニック障害は、広場恐怖や対人恐怖などの恐怖症をともなうことも多く、これが進むと、日常生活はさらに困難なものになります。

●「うつ病」

パニック障害の経過のなかで、前駆期から急性期にかけて、うつ病があらわれることもありますが、これは少数です。うつ病が多くなるのは、パニック障害が慢性期に入ってからです。広場恐怖や回避行動のためにできないことが多くなり、生活を楽しんだりものごとに打ち込むエネルギーが少なくなって、うつ病を併発します。パニック障害に併発するうつ病の大部分は、非定型うつ病です。

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