うつ病の症状・自殺願望(前兆と予防方法)

うつ病の症状

自殺願望(前兆と予防方法)

物事に集中できず、小さな決断にも迷うようになります。記憶力も低下するため、高齢者の場合は、認知症と間違われることもあります。ここでは、自殺の前兆や予防について紹介します。

ほとんどの患者さんが自殺願望を抱く

日本の自殺死亡者数のグラフ自分に対する無価値感や自責感が強くなると、「死にたい」 「死んだほうが楽」という気持ちが生まれ(自殺念慮)、実際に自殺を企てることがあります(自殺企図)。1998~2006年までの9年間、日本における年間自殺者数は3万人を超え続けました。未遂の人はこの5~10倍はいるといわれ、こうした人たちの3~5割がうつ病だった可能性があるとみられています。
うつ病では脳機能に障害をきたしますが、そのために善悪の判断がつかなくなり、自殺に走るわけではありません。うつ病の患者さんも、「自殺をしてはいけない。命を粗末にしてはいけない」ということを十分承知しています。それでも「死にたい」 という気持ちから抜け出せないほど追い込まれてしまうのです。

周囲の人は、自殺念慮を軽く考えてはいけない

ひと口に自殺念慮といっても、「そんな考えがふっと頭をかすめた」という程度から、「実際に、具体的な方法を考えた」「今すぐにでも死にたい」という段階までまちまちです。すぐにでも自殺をするおそれがある場合は、入院が必要になります。
うつ病の苦しみを知らない人は、「自殺するという人に限って死なない」などといいますが、それは思い違いです。もう一度いいますが、うつ病はきわめて自殺率の高い病気です。このことを患者さんだけでなく、周囲の人にも十分心得ておいてほしいものです。

こんな人が自殺のハイリスク群

①一度自殺を企てたことがある
②大切な人や親しい人と離別し、強い喪失感に包まれている
③自分を支えてくれる家族や友人がいない孤独な人
④仕事上のトラブルや、多額の信金などが要因で発症した人
⑤自分を責める気持ちがとても強い
⑥不安や焦りが強く、イライラして落ち着かない
⑦将来にまったく希望がもてない
⑧アルコール依存症や薬物依存症を併発している

回復の兆しが見えた頃の自殺に注意

回復の兆しが見えた頃うつ病の人は「自分はいなくなったほうがいい」という気持ちと「助けてほしい」という気持ちの間を揺れ動いています。そうした中で 「いっそ死んでしまいたい」という自殺念慮(自殺したいと強く思うこと)を抱くことがあります。一般的に、重いうつ病の患者さんが自殺念慮を抱きやすく、回復の兆しが見えた頃に、自殺を図ることがあります。
なぜ、回復しはじめた頃かというと、うつ状態のどん底にいるときは 「自殺」という行動を移す気力もないため、自殺念慮があっても、行動には移せません。少しよくなり、体が動くようになったときに、階段を昇ってビルの屋上に上がる、首吊りの準備をするなどして、自殺をくわだててしまいます。

自殺者全体の約6割がうつ病やうつ状態にある

平成16年の国内の自殺者は3万2、325人で、平成10年から3万人を下回ることはありません。このうちの約6割がうつ病を発症していたり、うつ状態だといわれます。
こうした中で、働く人の自殺が増えていて9000人を超える状況にあり、そのうちの約70%以上が「うつ状態やうつ病」から自殺に至るとみられています。このように、うつ病と自殺はきわめて関わりが深く、対応には細心の注意が必要です。

最後まで油断しない

傍目には「元気になってきた」と見える回復期でも、本人は「再発したらどうしよう」といった不安に陥ることがあります。周囲の人は、回復してきたと思っても「もう少しだ、がんばろう」など、プレッシャーをかけることはいわないで「今はウオーミングアップの時期だから」というように、本人を孤独にさせないような言葉かけをすることが大切です。

自殺の前兆を見逃さない

「すまないな、迷惑ばかりかけて」などというのも自殺念慮の兆候です。こうした言動が見られたとき、「何バカなことをいっているの」などと軽はずみなことをいうと、自殺に追い込んでしまうことがあります。

身辺整理をはじめたときも要注意

また、古いアルバムを整理したり、大切なものを人にあげるなどして身辺整理しはじめたときも、危険です。こうしたことを合わせて自殺の前兆を感じたら、主治医に相談し、自殺をとどめる方策をとらなければなりません。入院治療が必要なこともあります。

自殺が本人の問題だけではないことを認識させる

もしも、自殺をにおわせるような言動があったなら 「あなたがいなくなってしまったら、私はどれだけ幸いか」というように、本人だけの問題ではないことを認識させます。うつ病になる人は、まじめで責任感の強い人が多いですから、自分が死ぬことによって悲しむ人がいることを知れば、思いとどまることもあります。
また「今のその気持ちは私がいったん預かっておくから」というように受け止めてあげることも大切です。以下の自殺を予防するための7か条を参考にして対処してください。

自殺を予防するための7か条

No.1
「罪深い・価値のない人間」と考えることは、性格などのためではなく、病気のためであることを知らせる
No.2
「消えてなくなりたい」「生きている価値がない」といい出したら、自殺願望を抱いている証拠。目を離さないようにする
No.3
自殺願望は病気が原因であることを理解して
叱咤激励は避ける
No.4
「1人で悩まないでいつでも相談するように」
といってあげる
No.5
「自殺」「死」を口に出したら、躊躇しないで
主治医に相談をする
No6
「自殺はしない」と約束させる。ただし、数日間しか効果がないので、くり返し約束させる
No.7
「ひとりで孤立しているのではなく、いつも気にかけてくれる人が必ずいる」ことを認識させる

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