うつ病の診断(DSM-Ⅳ)

うつ病の症状

DSM-Ⅳ(診断マニュアル)などを用いて総合的に診断する

病気の診断は、問診や視診で得られた情報、各種の検査結果などにもとづき、「DSM・Ⅳ」などの診断マニュアルを参考にしたうえで、慎重に行われます。

世界的な診断基準DSM-Ⅳが用いられる

うつ病の診断うつ病の診断は、いろいろな症状を総合的に診て、消去法を用いたりしながら優先順位を決めて確定していきますが、これだけではなかなか診断がつきにくい場合もあります。そのため、ひとつの診断基準として、米国の精神医学界の診断基準「DSM-Ⅳ精神疾患の分類と診断の手引き」(医学書院・1994年)が広く普及し、うつ病を含めた精神疾患の診断がつけられるようになっています。
診断方法は、9項目の「大うつ病」の症状うち、5つ以上あてはまれば、うつ痛の疑いが強いということこなります。なお、以下で紹介する診断マニュアルに「大うつ病」とありますが、「大うつ病」の「大」は「主要な」あるいは 「典型的な」という意味で、医学的に使われている言葉です。重症のうつ病という意味ではありません。また、最近では、DSM-Ⅳを基準とし、より実際的な「精神疾患簡易構造化面接法(M.I.N.I)も広く使用されています。

うつ病の診断には時間がかかることもある

うつ病はさまざまな症状が現れることが多いため、1回の診察で診断がつけられないこともあります。患者さんにすれば焦りを感じたり、いらだったりするかもしませんが、医師を信頼して、経過を診てもらうようにしてください。重症のうつ病の場合は、できるだけ早く診断をつけ、適切な治療にあたらなければなりませんが、軽い抑うつ傾向の患者さんは、うつ病以外の病気の可能性もあり、その鑑別がきわめて重要になります。診断にはある程度の慎重さが求められることについて、患者さんにも理解していただきたいと思います。

DSM-Ⅳによる大うつ病の診断基準

●下記の9つの症状のうち、5つ以上が同じ2週間のうちに存在し、病前の機能と変化している
●5つ以上のうち、少なくとも1つは①か②である
※明らかな身体疾患、または気分と一致しない妄想や幻覚による症状は含まれない

No.1
抑うつ気分が、ほとんど1日中、ほとんど毎日続いている(本人の説明、または家族などの説明による)
No.2
ほとんどすべての活動に対する興味や喜びが、ほとんど1日中、ほとんど毎日著しく減退している
No.3
食事療法などはしていないが、著しい体重の減少や増加、またはほとんど毎日の食欲の減退や増加がある
No.4
ほとんど毎日の不眠または睡眠過多がある
BLANK
No.5
ほとんど毎日の精神運動の焦燥または制止がある(本人の主観的感覚ではなく、家族などによっても観察できる)
No.6
ほとんど毎日の疲労感や気力減退がある
BLANK
No.7
ほとんど毎日の無価値感や、過剰または不適切な罪悪感がある(単に自分をとがめたり、病気になったことに対する罪の意識ではない)
No.8
思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる(本人の説明、または家族などの説明による)
No.9
死についての反復思考があり、特別な計画はないが、反復的自殺念慮や自殺企図がある。または、自殺するための計画がある
B
症状は、混合型エピソード(双極性障害)の基準を満たさない
BLANK
C
症状は、著しい苦痛や、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能障害を引き起こしている
D
症状は、薬物による生理学的作用や、一般身体疾患によるものではない
BLANK
E
症状は、死別反応では説明しきれない。愛する者を失った後、症状が2か月を超えて続くが、著明な機能不全、無価値感への病的なとらわれ、自殺念慮、精神病性の症状、精神運動制止があるという特徴がある

判定法

①抑うつ気分、②興味・関心の喪失③食欲の変化・体重減少、④睡眠障害、⑤無気力・活動の低下、⑥疲労・倦怠感、⑦無価値感・罪悪感、⑧思考力・集中力の低下、⑨自殺念慮のうち、①か②を含む、合計5つ以上の症状が2週間続いており、かつB~Eに該当する場合は、うつ病と診断されます。

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