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うつ病の症状

統合失調症について

心の病気の中には、うつ病とよく似ている病気があります。医師は診断にあたっては、うつ病なのか他の心の病気なのか、慎重に判断することになります。うつ病と症状が似た病気である統合失調症について紹介します。

統合失調症の症状

統合失調症の症状
統合失調症では、その始まりの時期や慢性期にうつ状態となります。特に初期の段階でうつ病かどうかを判断するのは、たいへんむずかしいとされています。では、統合失調症とはどのような病気でしょうか。
統合失調症の症状は、よく、「精神面のまとまりを欠いた状態」であるといわれます。WHOの「ICD-10」では、統合失調症の障害とは、一般的には思考と知覚の根本的で独特な歪曲、および不適切な、あるいは鈍麻した感情によって特徴づけられるとしています。発症する年代としては、30代、あるいは中年以降というケースもありますが、思春期から20代の若い年代に圧倒的に多いようです。特徴的な症状は、以下のようなものです。

・幻覚(主に幻聴)がある
・妄想がある
・「させられ体験」がある
・支離滅裂なことを言ったり、考えたりする
・感情表現に障害がある
・疎通の障害がある
・自閉
・病識がない


ただし、統合失調症では、このような症状のすべてがあらわれるわけではありません。

経過に応じて症状が変化することも

また、統合失調症の症状は、初期から急性期、回復期を経て慢性期へと、経過に応じて変わることがあります。うつ病と似ている症状という点では、初期が問題となります。統合失調症の始まり方には、特徴的な症状がはっきりとみられる場合と、見すごしてしまうような軽い症状とがあります。軽い症状から始まる場合には、発見しにくく、受診が遅れてしまうことがあります。特に、統合失調症の前駆症状(前兆の時期)としてうつ状態がみら
れます。統合失調症の初期の症状としては、以下のようなものがあります。


・あまり出かけなくなった
・友達から誘いがあっても、会おうとしなくなった
・身の回りにかまわなくなって、ちょっとだらしない感じになった。入浴もしなくなった
・家族などともあまり話さなくなった
・理由もなく学校や仕事を休む
・睡眠障害がある


こうした軽い状態の症状が、うつ病、さらには神経症と非常によく似ているのです。それらの症状との区別は非常にむずかしく、専門医でも判断に苦しむ場合が多いといわれます。このような軽い症状で始まる統合失調症は、思春期や若い人の場合が多いようです。なお、急性期というのは、統合失調症に特有の症状、たとえば幻覚や幻聴、妄想が出てきたり、思考が混乱して支離滅裂なことを言ったり、興奮するといった症状がはっきりとあらわれる状態のことをいいます。
回復期は、治療により急性期にみられた精神状態がおさまった状態です。この回復期から、ほぼ病気になる前の状態に戻るケースと、慢性期の状態になっていくケースとがあります。慢性期の症状は「陰性症状」が特徴といわれます。感情鈍麻、意欲の減退、ひきこもり、周囲への無関心などが目立ちます。こうした陰性症状は慢性期に多くみられるのですが、病気の始まりのころからあらわれることもあります。

統合失調症の原因と治療

統合失調症は珍しい病気ではない
統合失調症の原因は、残念ながら、まだわかっていません。うつ痛と同じように、環境やストレスなどさまざまな要因が複雑にからみ合って発症するのではないかといわれています。
治療に関しては、かなり研究が進歩してきており、治療薬や治療法もいろいろと開発され、現在では十分に治療可能な病気といわれています。治療薬としては、幻覚や幻聴、妄想に対して抗精神病薬などが使われ、また症状に応じて睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬なども使われます。また回復期や慢性期の患者には、薬物療法とともにリハビリテーションも行われます。
統合失調症は100人に1人くらいの頻度で発症するといわれるほどで、けっして珍しい病気ではありません。しかし、いまだに、遺伝病だとか、不治の病だとか、危険な病気といった誤解や偏見があることは否定できません。こうした偏見や誤解がもとで、患者が医師のところに行くのが遅くなることもあるので、十分に注意する必要があります。

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