パニック障害の診断(診断基準・DSM-Ⅳ-TR)

うつ病の症状

パニック障害の診断

パニック発作が起こっても、パニック障害とは限りません。身体疾患はないか、ほかの精神疾患がないかどうかのみきわめが重要です。診断には、DSM-Ⅳ-TRの診断基準が使われます。

DSM-Ⅳ-TRが世界基準に

パニック障害の診断パニック発作が起こると、不安や恐怖といった精神症状と同時に、動悸、めまい、呼吸困難など多彩な身体症状があらわれます。
診断では、そのような症状がパニック障害によって起こっているかどうかをみきわめることが重要になります。パニック発作=パニック障害とは限らないからです。パニック障害の診断は、DSM-Ⅳ-TRが世界基準になっています。

診断の手順

●まず、さまざまな身体症状が体の病気によるものではないかどうかを内科的に調べます。
●続いて、問診が行われます。パニック発作の内容、起こったときの状況、発作前後の状況などを患者さんからくわしく聞き、「パニック発作の診断基準」と照らして、パニック発作であることを確定します。
●パニック発作がパニック障害によるものかどうかを診断します。発作が予期せずくり返し起こる、再び起こるのではないかという不安(予期不安)がある、などが条件になりま
す。
●場合によっては、パニック発作がほかの不安障害(恐怖症など)や、薬物(麻薬、覚せい剤など)によるものでないかどうかを調べることも必要になります。
●広場恐怖をともなっているかどうかも、「広場恐怖の診断基準」に照らして調べます。広場恐怖があるかどうかで、治療法が変わってくるためです。
●患者の心の背景を知るために、不安の度合、日常生活、仕事、学生の場合は学校関係、家族関係、友人関係、成育歴(どのように育ってきたか)、本人や家族の病歴などについても質問します。医師には守秘義務がありますので、ほかにもれることはありません。
●必要がある場合は、脳波や、脳の画像検査、心理テストなどが加わることもあります。

パニック発作の診断基準

(※DSM-Ⅳ-TRによる)
強い恐怖や不快を感じる時間帯は、はっきりとほかと区別できる時間で、その間、以下の症状のうち4つ以上が突然出現し、10分以内にそのピークに達する。

No.01
動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
No.02
発汗
No0.3
身ぶるい、またはふるえ
No.04
息切れ感、または息苦しさ
No.05
窒息感
No.06
胸痛、または胸部の不快感
No.07
吐きけ、または腹部の不快感
No.08
めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
No.09
現実感の消失、または離人症状(自分ではない感じ)
No.10
とんでもないことをしたり、気が狂うのではないかという恐怖
No.11
死ぬのではないかという恐怖
No.12
異常感覚(感覚麻痺、またはうずき感)
No.13
冷感、または熱感

パニック障害の診断基準

(※DSM-Ⅳ-TRによる)

(1)と(2)の両方を満たす

(1)予期しないパニック発作がくり返し起こる

(2)少なくとも1回の発作のあと1カ月間(またはそれ以上)、以下のうち1つ(またはそれ以上)が続くこと

(a)もっと発作が起こるのではないかという心配の継続

(b)発作、またはその結果がもつ意味(例:コントロールを失う、心臓発作を起こす、"気が狂う"についての心配

(c)発作と関連した行動の大きな変化

広場恐怖が存在しない→広場恐怖をともなわないパニック障害
広場恐怖が存在している→広場恐怖をともなうパニック障害
パニック発作は、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症症)の直接的な生理学的作用によるものではない
パニック発作は、以下のような他の精神疾患ではうまく説明されない

社会恐怖(例:恐れている社会的状況に暴露されて生じる)

特定の恐怖症(例:特定の恐怖状況に暴露されて生じる)

強迫性障害(例:汚染に対する強迫観念のある人が、ごみや汚物に暴露されて生じる)

心的外傷後ストレス障害(例:強いストレス因子と関連した刺激に反応して生じる)

分離不安障害(例:家を離れる、あるいは身近な家族から離れたときに生じる)

広場恐怖の診断基準

(※DSM-Ⅳ-TRによる)

逃げるに逃げられない(または逃げたら恥をかく)ような場所や状況、またはパニック発作やパニック様症状が予期しないで、または状況に誘発されて起きたときに、助けが得られない場所や状況にいることについての不安
広場恐怖が生じやすい典型的な状況:家の外にひとりでいること、混雑のなかにいること、橋の上にいること、バス、汽車、または自動車で移動していること、などがある
※注意:1つ、または2~3の状況だけを回避している場合には特定の恐怖症の診断を、または社会的状況だけを回避している場合には社会恐怖を考えること
その状況だけが回避されている(例:旅行が制限されている)か、またはそうしなくても、パニック発作、またはパニック様症状が起こることを非常に強い苦痛、または不安をともないながら耐え忍んでいるか、または同伴者をともなう必要がある
その不安、または恐怖症性の回避は、以下のような他の精神疾患ではうまく説明されない

社会恐怖(例:恥ずかしい思いをすることに対する恐怖のために社会的状況を避ける)

特定の恐怖症(例:エレベーターのような単一の状況だけを避ける)

強迫性障害(例:汚染に対する強い強迫観念のある人が、ごみや汚物を避ける)

心的外傷後ストレス障害(例:強いストレス因子と関連した刺激を避ける)

分離不安障害(例:家を離れること、または家族と離れることを避ける)

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